こじんまりと珈琲屋さんをやっているおじいちゃんがいて、そのおじいちゃんはいつもニコニコしています。
いつもニコニコしているおじいちゃんの淹れてくれるコーヒーは、決まっておいしいです。
深いのにやさしい味のコーヒー
決まっておいしいコーヒーを飲みながら、コーヒーにやさしい味ってあるのだろうかと考えています。
ある日おじいちゃんのコーヒーを飲みに行くと、店内は私と嫁のふたりだけでした。
いつものカウンターの端に腰掛けると、おじいちゃんからいろいろな珈琲についての話を聞くことができてラッキーでした。
他のお客さんがいる時は、
今日はどのコーヒーにしますか?
○○と○○が飲み頃でお勧めだよ!
じゃあ、その2つを。
と、こんな感じで始まり、
おいしいですか?
おいしいです。今日のは○○な感じですね。
そうですかぁ。
と続いていく。毎日たくさんのお客さんが来るようなお店では無いので、週に2種類ぐらいの珈琲豆を少量で焙煎しているようです。
楽しい話は時間を忘れさせる
それでも、わたしや嫁のように、その日あるコーヒーを楽しみに飲みに来る常連客は多いようです。
その日はおじいちゃんを独占という事もあって、コーヒー産地の農場の話、コーヒー問屋の話、焙煎の話、酸味とコクなど、その楽しい話は尽きませんでした。
おじいちゃんは、長い間、珈琲屋さんをやってきているようですが、滅多に味覚というか嗜好について知識を押し付ける様なことは語りません。
どちらかというと、コーヒーを飲む本人がその日その時に感じていることが、すべてだという感じです。
たしかに、同じコーヒーを違う時間や違う気分で飲むと風味や印象は変わるものだと思いますし、嗜好品であるコーヒーは楽しもうという気持ちが大切なんだと教えてもらった気がします。
敬愛するおじいちゃんの「うまかった!」
その日のおじいちゃんの話で、「台湾のコーヒーはうまかった!」と目を輝かせていました。実は奥さんと台北旅行に行ってきたらしく、珍しく話をしながら興奮していました。
そんなおじいちゃんを見ていると、実際どんなものかと試したくなるのがヒトというものです。
今回の台北旅行の目的の一つとして、おじいちゃんの話していた、北門駅にある「森高砂咖啡館」に行ってきました。
店内も凄くお洒落で洗練され落ち着いたイメージで、おじいちゃんとおばあちゃんがここでコーヒーを飲んでいた様子を想像するだけで、ほっこりしました。
台湾産の珈琲豆のコーヒーは、とても美味しかったです。
いつもおじいちゃんの淹れてくれるコーヒーの部類とは全く異なりましたが、来て良かったなと満足出来ました。
台湾産のコーヒー豆は稀少なようで
別のコーヒー店に行った時もそうでしたが、物価の安い台北のイメージの中で、ハンドドリップのコーヒーは日本の倍近い値段がします。
収穫量の少ない台湾産を使用しているからなのかもしれません。
お茶のイメージの強い台湾でしたが、実際台北を歩いていると、コーヒー店が多いことにびっくりしました。日本のTHIRD WEVE OF COFFEE の波は台湾でも同じなのでしょうか。
定番のお店とニューウェーブのお店
去年OPENして既に話題になっているという「VWI BY CHADWANG」は森高砂咖啡館より若い人がターゲットのようなクールな内装でした。
日本に帰って来て、おじいちゃんの淹れてくれたコーヒーを飲みながら台北の森高砂咖啡館に行ってきた話をすると、とても嬉しそうでした。
コーヒーを淹れながら別のお客さんとニコニコ話をしているおじいちゃんを眺めながら、「やっぱり、おじいちゃんのコーヒーはうまいなぁ」と考えていました。