雲一つない晴れた平日の午後のドライブ中の事。車の中でFMを聞いていると、流れてきたのが吉田山田の「日々」という曲でした。曲が始まってすぐにじっと聞き入るぐらいの衝撃を受けました。
詩がスッと心に入ってくるような曲が
助手席に座っていた嫁は、この曲を当然のように知っていましたがアーティストと曲名が出てこなかったので、すぐに“Siri” に助けを求めました。運転中に聞き続けるのは、ちょっとヤバかったので、その場を嫁との会話に終始して後でじっくり曲を聞き直すことにしたぐらいです。
あの「みんなのうた」で
この「日々」という曲は、2013年にNHKの“みんなのうた” で流れていたようです。いい歌だという評判はすぐに広まっていたようなので嫁は知っていたようです。
・おじいさんとおばあさんはあまり目を見てしゃべらない
・いろいろな出来事があって、思い出に笑い、幸せな日々に溢れる涙
・お気に入りのニット帽はおばあさんが編んだ、いまだありがとうも伝えてない
・おじいさんが体を壊し、おばあさんは独り泣いた…伝えなきゃ大切な気持ち
そういう感じの曲です。
自分の気に入っている部分は
わたしが一番気に入っているのは、
「泣かせた日 家を出て行った日
抱き合えた日 背を向けて眠った日
希望を持たせた日 それを恨んだ日
溢れる涙よ やけにデコボコな日々」
の部分でしょうか。夫婦として老いて行くおじいちゃんが、そういう風に連れ添った奥さんに申し訳無さを感じながらも言葉に出来ない感じはあると思います。
ふと、以前観た映画を思い出す
つらいこともうれしいことも、良い時も悪い時も連れ添う夫婦というものを、老夫婦からの視点で優しく歌い上げるこの名曲に、以前観た、韓国ドキュメンタリー映画の「あなた、その川を渡らないで」を思い出しました。
あたりまえのように流れる日々
小さな田舎町に暮らす、おじいちゃんとおばあちゃんが質素ながら仲睦まじく暮らす様子を1年以上かけて撮影した作品らしいです。
なんてことの無い日常を綴っただけの映画ですが、そこに溢れる笑顔とふたりのおちゃめなやり取り、そして四季を感じさせる風景に見入ってしまいます。
長年連れ添った夫婦にしかわからないような愛情というものに、言葉に出来ない感動を覚えます。
ドキュメンタリーを感じるエンディング
誰もが、夫婦としてこのような老後をともにしたいと思える作品です。
随分と長生きをしてきている老夫婦ですが、映画の後半は病気や死というものと向き合っていきます。年齢を考えると覚悟がつくみたいなもので、その覚悟が穏やかに優しい気持ちにさせてくれるのだろうと思っています。そしてその覚悟が最後の最期、そばにいて幸せなことだと感じました。